光格子時計

1秒 超高精度で1秒を刻む「光格子時計」の装置容量を、従来の920リットルから約4分の1にあたる250リットルまで小型化することに、東京大学大学院工学系研究科の香取秀俊教授らのグループが成功した。重さは

情報源: 超高精度で1秒を刻む「光格子時計」を小型化、東大など 「秒」の再定義へ | Science Portal – 科学技術の最新情報サイト「サイエンスポータル」

1秒の定義は計量単位令別表第一に「セシウム百三十三の原子の基底状態の二つの超微細準位の間の遷移に対応する放射の周期の九十一億九千二百六十三万千七百七十倍に等しい時間」と定められているようにCs-133から放出する特定の電磁波から決定されています。高校物理を履修された方は馴染みが有るかもしれませんが、電子がエネルギー準位を変えた際にそのエネルギー差に応じた波長の電磁波を出します。エネルギー差をΔE、プランク定数をh、振動数をνとしてΔE=hνと表せます。一般的に速度vの波に対する波長λと振動数fの関係はv=fλと表されるので、電磁波の場合、速度は光速のcとするならば、ΔEのエネルギー差に対応する波長は、λ=c/ν=ch/ΔE。また、ΔEのエネルギー差に対応する振動数は、ν=ΔE/hとなり、振動数が1秒間あたりの振動回数なので、周期Tは、T=1/ν=h/ΔEと表される。これを九十一億九千二百六十三万千七百七十倍したものが1秒と定めています。今週末は大学入学共通テストが(私の頃は大学入試センター試験と呼ばれていましたが)行われるとのことで、昔のことを少し思い出しました。

さて、この記事に上がっている光格子時計は、原子にレーザーを当てて吸収される電磁波の振動数から1秒を算出するそうですが、その誤差が現在の宇宙年齢の年数経過してもで数秒とのことで、新たな1秒の定義に用いられる可能性があるとのこと。今回の記事はその時計が小型化したとのことで写真を見るにディスクトップパソコンと同じくらいのサイズですね。また島津製作所が商用化を担うとのこと。精度も高くスカイツリーの上下に置いたところ一般相対性理論で示す重力差による時間のずれの測定もできたとのことです。そのため、地質の密度の違いによる重力の違いから地質調査に用いられる可能性もあるとのことで、今後の用途に着目したいところです。

小惑星と核爆弾

小惑星の地球への衝突を核爆弾で防ぐ妙案、爆破はせず、最新研究 | ナショナル ジオグラフィック日本版サイト 

地球に衝突する小惑星を核爆弾でどうにかしようというのは映画「アルマゲドン」でありましたが、こちらは核爆発により放射される電磁波で小惑星の表面を蒸発させ、それが推進剤となって小惑星の軌道を変えるといった話の様です。ただ地球に近づくほど大きなエネルギーが必要になるので、早めの発見が肝になりそうですね。

LK-99について

少し前から一部では話題担っていた常温超電導物質とされる「LK-99」について、追実験の結果、懐疑的な見解が示されつつあるようです。

https://gigazine.net/news/20230807-lk-99-superconductor-nature/

ところでWikipediaの検証状況を見たところ、国ごとに傾向が違うというのも興味深いところです。

https://ja.wikipedia.org/wiki/LK-99

2019年ノーベル物理学賞について

今回の話題は以下の記事についてとなります。
情報源: 2019年ノーベル物理学賞は,物理的宇宙論における数々の理論的発見に対してジェームズ・ピーブルズ教授に、 また太陽と似た恒星の周りを公転する太陽系外の惑星の発見に対してミシェル・マイヨール教授とディディエ・ケロー教授の3名が受賞した。 | お知らせ一覧 | 一般社団法人 日本物理学会
今回受賞した理由を見ると、現在ではよく知られている内容について、理論を確立させたり、観測で示したことが、受賞に繋がったとなっていますね。
ピーブルズの功績として「宇宙誕生約3分後に形成されたヘリウムの存在量、約38万年後に起こった宇宙の再結合(電離水素が中性化する過程)」とありますが、宇宙の晴れ上がりについては、重元素の合成プロセスであったり、電磁波による観測の限界点であるとの話を学生時代に聞いたものですが、そういった話の根底となる基礎理論を確立させた点は確かに大きな功績だと思います。
因みに宇宙背景放射から宇宙年齢を測定する手法は現在も行われていて、精度を上て測定したところ、宇宙の年齢が従来よりも古かったという話が数年前にありましたね。
情報源: 宇宙は138億歳、従来説より1億年高齢: 日本経済新聞
また、マイヨールとケローの功績は、太陽系外の惑星の発見をしたこととありますが、その後の系外惑星の発見から、「我々の太陽系の”常識”からは考えられないほどの多様性を有していることが明らかとなっている。」ことが分かりつつあるようです。それは「太陽系外惑星という新たな研究分野を創設したのみならず、宇宙における地球の存在を相対化し、我々の世界観に革命をもたらした」とあるように、我々がこうして存在していることは(太陽系のハビタブルゾーンを抜きとしても)、そんなに当たり前でもなく、随分と運がいい結果と言えるかもしれませんね、

オゾンホールと気温の異常上昇

情報源: 2019年9月27日ニュース「南極のオゾンホールが半減! 上空の気温の異常上昇が原因と気象庁」 | SciencePortal
8月末に起こった「成層圏突然昇温」と呼ばれる気温上昇により、南極上空の零下78度以下でできる極域成層圏雲(PSC)と呼ばれる特殊な雲の発生が妨げられた結果、PSCから放出される活性塩素原子が減少し、オゾンホールの進行が抑制されたとのこと。
オゾンホールの発生メカニズムは以下の気象庁のHPを参照
気象庁 | 南極でオゾンホールが発生するメカニズム
成層圏での気温上昇が原因とのことですが、温暖化とも関係あるのでしょうか?

既設の発電所だけでもCO2目標を達成するには、すでに多すぎるとのこと

情報源: 発電所、CO2目標を達成するにはすでに多すぎ、研究 | ナショナルジオグラフィック日本版サイト
このままのペースで途上国が発展していくと、気温が何度上がるといった話は聞きますが、現状維持でも多すぎるとのこと。
今の生活を変えるというのは、なかなか難しいので、例えば照明をLEDに変える、建物の断熱性を上げるなどして、消費する電力を減らしていく取り組みが進むといいですね。

太陽両極の磁場異変

ニュース – 科学&宇宙 – 太陽両極の磁場異変を確認 – ナショナルジオグラフィック 公式日本語サイト(ナショジオ).
これは内部で電離しているガスが複雑な動きをしているという事でしょうか。地球のダイナモ効果と同じ様なものかと思っていたんですが違うんですかね。ところで以前の寒冷期と似た状態と言われていますが、温暖化の話も絡めた問題提起が起きるのか気になります。

H2Aロケット打ち上げ成功

情報収集衛星打ち上げ 4基の監視体制実現へ、H2A16回連続成功 – MSN産経ニュース.
成功して当たり前という期待感を背負った日本の宇宙開発事業ですが、今回も成功して良かったですね。やはり日本独自で人工衛星を打ち上げられるというのは大きいですね。さて昨今の国際事情から今回の衛星の役割は大きいですが、今後は打ち上げた衛星の運用の面で注目をされそうですね。

科学的見地から見た食の安全性

オピニオン 唐木 英明 氏(倉敷芸術科学大学 学長、東京大学 名誉教授)「輸入食品の誤解 – 科学教育の重要性再認識を」 科学技術 全て伝えます サイエンスポータル / SciencePortal.
さて日本では食の安全性に対して厳しい目で見られがちと意見がよく出ます。雪印の様に大企業で有っても食中毒を出すと会社が傾きます。小さな定食屋では廃業を強いられる所も多いでしょう。ただ大多数の会社は、その条件の元でやっているお陰で、消費者に安心感を与えていますね。さて今回のコラムでは、輸入品は国産品と比べて検査が厳しいため検査によく引っかかり、また違反するといってもその量は微々たるものであり安全性は国産品と変わらないため、輸入品(特に中国産)を特別敬遠するのは間違いであり、科学的知識を持たない愚か者のすることといった意見が述べられています。確かに水道水の塩素殺菌と同様に適量の使用が求められる薬物は有ります。ただ日本で禁止されている農薬の使用や、基準値以下とはいえ本来入れる必要のないものを入れるといったことも控えて貰いたいですし、またそういった事が起きる下地として国内向けのいい加減な管理が有るのではないかと疑う事も有るでしょう。現に国内で従業員が会社への不満から劇物を生産段階から混ぜたという話はここ数年で聞きません。結局は消費者が自由に物を選ぶ以上そういったイメージを根底に選ぶのはやむを得ないことでしょう。ただこの筆者の述べる科学教育の重要性には同意します。安全性よりも利益を求めて無為な統計データを出したり隠蔽しながらも、安全と言われれば盲目的に信頼し問題が起きるまで無関心で有りながら、問題が起きれば一斉にヒステリックに反応するというのは、どうにかしなければ同じ事の繰り返しとなるでしょう。