2019年ノーベル物理学賞について

今回の話題は以下の記事についてとなります。
情報源: 2019年ノーベル物理学賞は,物理的宇宙論における数々の理論的発見に対してジェームズ・ピーブルズ教授に、 また太陽と似た恒星の周りを公転する太陽系外の惑星の発見に対してミシェル・マイヨール教授とディディエ・ケロー教授の3名が受賞した。 | お知らせ一覧 | 一般社団法人 日本物理学会
今回受賞した理由を見ると、現在ではよく知られている内容について、理論を確立させたり、観測で示したことが、受賞に繋がったとなっていますね。
ピーブルズの功績として「宇宙誕生約3分後に形成されたヘリウムの存在量、約38万年後に起こった宇宙の再結合(電離水素が中性化する過程)」とありますが、宇宙の晴れ上がりについては、重元素の合成プロセスであったり、電磁波による観測の限界点であるとの話を学生時代に聞いたものですが、そういった話の根底となる基礎理論を確立させた点は確かに大きな功績だと思います。
因みに宇宙背景放射から宇宙年齢を測定する手法は現在も行われていて、精度を上て測定したところ、宇宙の年齢が従来よりも古かったという話が数年前にありましたね。
情報源: 宇宙は138億歳、従来説より1億年高齢: 日本経済新聞
また、マイヨールとケローの功績は、太陽系外の惑星の発見をしたこととありますが、その後の系外惑星の発見から、「我々の太陽系の”常識”からは考えられないほどの多様性を有していることが明らかとなっている。」ことが分かりつつあるようです。それは「太陽系外惑星という新たな研究分野を創設したのみならず、宇宙における地球の存在を相対化し、我々の世界観に革命をもたらした」とあるように、我々がこうして存在していることは(太陽系のハビタブルゾーンを抜きとしても)、そんなに当たり前でもなく、随分と運がいい結果と言えるかもしれませんね、